文学的商品学


文学的商品学 斎藤 美奈子 (著)


小説の面白さっていったいなに? 
筋書きでしょうか、登場人物の描き方でしょうか。
もちろんそれだって重要な要素ですが、それだけではないマルチなメディアなのが小説の魅力。
そこで斎藤さんは、小説がモノをどう描いているかに着目しました。
オートバイやホテル、料理など9分野を選び、川端康成から村上春樹までのべ70人、82作品を、商品情報を読み解くように小説を読んでみたのが今回の本のテーマ。
「小説ってこんな面白い読み方もできるんだ」と目からウロコ間違いなしです。


文藝春秋サイトにてこんな紹介文がありましたが、これは面白そうですね。
ウィリアム・ギブスンの小説に登場するブラックのMA-1の存在を思い出します。

よくよく考えてみると、自分が好きな作家って、物的なセンスとストーリー構築のセンスを同一に展開できる人だったりします。

前から考えていたのが、ストーリー構築のみに突出した作家とスタイリストや料理人との共演。
もう編集者と作家が二人三脚っていう時代じゃないと思うんですよね。
ファッションではコラボレーションという言葉が陳腐化されてきているけれど、文学においてはまだまだ開拓の余地ありだと思っています。