スプーク・カントリー / ウィリアム・ギブスン



1990年代にカルト的な人気をはくしたロック・バンド〈カーヒュー〉のヴォーカルだったホリス・ヘンリーは、バンドの解散後、フリーのジャーナリストになっていた。
そんなホリスに、広告業界の大物ヒュベアトス・ビゲンドが創刊する新雑誌〈ノード〉に取材記事を書いてほしいという依頼がきた。
それは、仮想現実用の特殊バイザーをつけると、現実の光景に重ねあわせるように別の光景が見られる一種の臨場感アートの取材だった。
〈ヴァイパー・ルーム〉の前に倒れているリバー・フェニックス、ヘルムート・ニュートンに捧げるヴァーチャル・モニュメント……。
このアートの制作に協力している天才ハッカー、ボビー・チョンボーに紹介されたときから、ホリスは謎の事件へと引きこまれていく。
ニューヨークに住む中国系キューバ移民のチトーは、かつて諜報活動にかかわっていた老人に、ワシントン広場で定期的にiPodを渡していた。やがて、チトーは老人から、思いがけない仕事を頼まれ、怪しい男たちに追いかけられるはめにおちいる。
薬物中毒のミルグリムは、政府の捜査官らしき男ブラウンに拘束され、ロシア語やヴォラピュク語の翻訳をしていた。
そのブラウンは、アメリカ国内で活動中の組織犯罪集団の監視をしているというのだが……。
取材するホリス、逃走するチトー、囚われの身のミルグリム――三人それぞれが未知なる力にみちびかれ、その果てに見たものとは?

4年ぶりの新刊、このブログでも数年前から情報を追っていましたが、ようやく発売です。
↑の内容紹介を読んでると、iPodがでてきてますね。
この人の作品はストーリーよりも、現代や未来のアイコンをどんなアプローチで表現してるか気になります。