失われた町


三崎亜紀の新刊『失われた町』。
書店に積んであったのを早速買ってきました。
画像ではわかりにくいですが、透明のカバーがかかっていて、
カバーには人だけ、実際の表紙には町だけが描かれています。
2つが重なって、初めて人のいる町になる。
小説内容を表現した装丁、良いアイデアだなと思いました。

予備知識なしで、この帯の一文を読んだなら、
「あー、感傷的な感じ?」という声が聞こえてきそうですが、
この人の作品て、よくある『繊細さ爆発系』じゃないんですよね。
視点がすごく冷静だから、悲しいとか切ないといった端的な着地点がなくて。

夜にどこかの家から漏れている、ほんのりとした明かりのような本です。
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